
写実絵画は、完成するまでに非常に長い時間がかかります。作品によっては 数ヶ月から年単位での時間がかかることもありますが、風景画を描く場合、長 い時間をかけて作品と向き合う間にも、モデルとなった目の前の風景はさまざ まに形を変えていることでしょう。
写真が目の前の一瞬を切り取って形に残すことに対して、写実絵画は対象を 見つめ、作家がその目でとらえたものを作家自身が感じた形、感じた印象で描 き出しています。
なぜ作家はその風景に心を動かされたのか、1枚の完成に数ヶ月を費やす写実 絵画としてその景色を残そうと思ったのか…。
作家が想いを込めた数々の風景画から、ぜひ写実の魅力を感じてください。
見たままの自然の力強さを描いたもの、今はもう存在しない景色を記憶を頼りに描いたもの、幼少期の思い出の中にある樹木の姿を今の景色へ投影したもの…
写実的な風景画と一まとめにしてしまうにはもったい ないほど、作品には1つ1つ、作家の様々な想いが込められています。
どんな考えで、どんな想いを込めて画家はまなざしの先にある風景を画布(キャンバス)へと描きとめたのか…風景画を鑑賞するとき、そんなことにも想いをはせていただければ幸いです。

小尾修 「咆哮」 2021年

森本草介「みちのく早春」2004年
ホキ美術館では3年に1度、新しい写実絵画を制作する次世代の 作家を発掘するための公募「ホキ美術館大賞」を行っています。 今回で第5回目の開催となるホキ美術館大賞の入選作品10点をギャラリー2にて展示いたします。
総勢13名の作家らによる、3年越しの全作描きおろし。
100号以上の大作が一堂に会し、作家自身の矜持とも言える、自身にとっての代表作を描いた写実絵画の最前線。
本展では、作家の生の声による作品解説をお聞きいただくことができる音声ガイドがございます。作品横に設置されたQRコードから専用サイトへアクセスしてご利用ください。
| 開催期間 | 2025年11月20日(木) – 2026年5月13日(水) |
| 開館時間 | 午前10時〜午後5時30分 (6月30日は午後4時30分閉館) 入館受付は閉館時間の30分前までとなります。 休館日の情報はカレンダーをご確認ください。 |
| 会場 | ホキ美術館 会場ギャラリー1 |