Highlight主な見どころ

森本草介と島村信之は、ホキ美術館が設立した頃から 作品が所蔵されている作家です。

薄塗りのフラットな絵肌、穏やかな風景画や、柔らかな光の表現の人物画…共通点も多い2人の作家ですが、その作品を前にしていると時折、自分の周りが静けさに包まれるような、見ている自分が静かな空間に入り込ん だような、不思議な感覚を覚えることがあります。

今回の企画展では、森本草介がかつて友人から作品を ”Sereneな絵” と評されたという話から ”Serene” を展示タイトルに冠し、ホキ美術館が選ぶ ”静” を感じる作家2人による作品をギャラリー1で展示いたします。

ぜひ実際に作品と対面して、”Sereneな絵” を感じてみてください。

    Artist

    森本草介について:

    ホキ美術館設立者の保木将夫が、写実絵画をコレクションするきっかけとなったのが、森本草介の写実絵画でした。
    森本草介の作品は、その色合いが大きな特徴の一つです。「私の眼にはセピア色のレンズがは まっていて、見るものすべて好きなセピア色にみえるのです」と森本草介は過去に語りました。その言葉通り、人物画、静物画、風景画、いずれの作品もまるでセピアベージュ色のフィルターを通したような、それでいて固有色を感じさせる不思議なセピア調になっています。
    作品を描くときにはクラシック音楽を聴きながら描いていたという森本草介、時には自分でピアノを弾くこともあったそうです。

    島村信之について:

    島村信之は作品の中で「光」を描き出すことを 重視しており、人物画が特に人気がありますが、人物画の他にロブスターや昆虫がモデルとなった作品も描いています。柔らかな佇まいの女性像とはギャップのある甲殻類の力強い作品は、発表当初からファンからも画廊からも非常に驚かれました。実は島村信之は昆虫のブリーディングをしており、クワガタやカブトムシは本人曰くかなり身近なモチーフなのだそう。
    展示されている作品の中で、「ガイア」と「願う」は昆虫やロブスターといった力強さのある作品を描いた経験を取り入れて制作された作品です。白黒に見える画面は実は様々な色を混色して作られたグレーで描かれており、モノクロの静けさと同時に、生命感も感じさせる作品になっています。

    • 森本草介「コーヒータイム」2007年

    • 島村信之「願う」2022年

    Exhibition同時開催

    特別公開中:島村信之「夢の箱Ⅱ」ギャラリー8

    ホキ美術館では3年ごとに作家に「自分の代表作になる作品を描いてほしい」と依頼し、描きおろされた作品を展する特別な展示室、ギャラリー8「私の代表作」があります。2023年11月に「第5回 私の代表作」として発表される予定だった島村信之氏の制作途中の作品を、ご遺族のご厚意により特別に展示させていただきます。この作品は他の「私の代表作」作品と同じく、2026年11月までギャラリー8に常設されます。

    特別展示:中山忠彦 ギャラリー6

    2024年9月に逝去された中山忠彦氏の作品をギャラリー6にて引き続き展示いたします。
    展示作品《花飾りの帽子》《トルコブルーの襟飾り》《燭台のある部屋》《壁掛けのある部屋》

      Overview開催概要

      開催期間2025年5月28日(水) – 2025年11月10日(月)
      開館時間午前10時〜午後5時30分
      (6月30日は午後4時30分閉館)
      入館受付は閉館時間の30分前までとなります。
      休館日の情報はカレンダーをご確認ください。
      会場ホキ美術館 会場ギャラリー1
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